キックボクシングでスパーリングなどをすると頭痛がする時がありますよね。
筆者も頭痛が酷くて心配になった事があります。
そこで本記事では、キックボクシングでの頭痛やパンチドランカーについて述べていきます。
ぜひ参考にしてみて下さいね!
サマリー
キックボクシングで頭痛がするのは何故?
キックボクシングをしていると頭痛がする場合があります。
頭痛の原因はおそらくスパーリングなどでパンチを顔にもらってしまい、脳にダメージがあるからです。
キックボクシングでスパーリングをしなければ、頭痛が起きるという事はほぼ無いでしょう。(肩こりから頭痛になる場合もありますが、相当ひどい場合です)
顔面にパンチをもらってしまい脳が揺れる事でダメージを受ける。
その結果、頭痛がするというのは特殊な事ではなく、多くのキックボクサーが体験している事です。
例えば下記動画の中で、元Krushチャンピオンで当サイトの監修者である中澤純氏が試合後にひどい頭痛に襲われた事を話しています。
頭痛もそうですが、気持ち悪くて吐いてしまったと言っていますから恐ろしいですね…
K-1のトップスターである武尊選手もバチバチに打ち合ったスパーリングの後は頭が痛いとtweetしています。
今日はこの2人とバチバチ殴り合い🔥
良い練習になった!!
2人ともデカイ!頭痛い!笑
感謝🙏@bbseeksm @REN_MMA pic.twitter.com/dAwo4jNkG7— 武尊 takeru (@takerusegawa) December 29, 2021
前2者とは次元が違いますが、筆者自身もキックボクシングのスパーリングをした後に頭痛に悩まされた経験があります。
トップレベルのキックボクサーから、スパーリングをやっとこなせる位のレベルのキックボクサーまで、事情は色々ですがスパーリングをしてパンチを顔にもらうと頭痛がするというのは共通です。
医学的にも論文があり、ボクシングのスパーリングを行い、脳が揺れると悪影響があるというのは間違いなさそうですね。(当たり前と言えば当たり前ですが)
1)某ボクシングジムにおいて、15選手に通常のスパーリングを4回行わせ、その前後の脳波を検討した結果、15例中7例と、その半数近くに何らかの異常所見を認めた。しかし、この脳波異常例では、C.T.上異常は認められなかった。
2通常のスパーリングは、試合が決定されると、その前に1週間前後連続して毎日3~4回行われるもので、mid repeated injury という特徴のあるボクシングにおいては、慢性脳障害に直結する危険性を示すものであり、防具などの問題を含めて、今後十分に検討すべきと考える。
結論繰り返しにはなりますが、キックボクシングの練習をして頭痛があるのであれば、それはおそらくスパーリングで能が揺れてダメージがあるからです。
気のせいだと思わずに、現実をしっかりと受け止めて、安静にする事をお勧めします。
キックボクシングでパンチドランカーになる可能性は?
パンチドランカーとは?
キックボクシングの練習で能にダメージが来て頭痛がするという話を前段でしました。
そこで気になるのがパンチドランカーですよね。
パンチドランカーとは、頭が揺れる事で脳にダメージが蓄積し、認知症の様な症状になってしまう恐ろしい病気です。
慢性外傷性脳症(まんせいがいしょうせいのうしょう、chronic traumatic encephalopathy; CTE)とは、頭部への衝撃から生じる脳震盪などの脳への反復する傷害が原因となり、脳変性による認知症に似た症状を持つ進行性の脳症をきたす神経変性疾患。最初にボクサーで見出されたことから俗にパンチドランカー(和製英語)と呼ばれており、他にもパンチドランク症候群(punch-drunk syndrome)、拳闘家痴呆(dementia pugilistica; DP)、慢性ボクサー脳症、外傷性ボクサー脳症、慢性ボクシング外傷性脳損傷などの別称がある。
引用元:慢性外傷性脳症
格闘家で激しい試合をする人は引退後(または現役中)にパンチドランカーとなってしまう事があり、恐れられている病気です。
キックボクシングでパンチドランカーになる危険性は?
ではキックボクシングをしていると、必ずパンチドランカーになってしまうのかというと、そんな事は全くないと言えるでしょう。
パンチドランカーになる程のダメージの蓄積というのは相当なものであり、一般的なアマチュア選手や数年プロで活躍した程度の選手ではそこまでのダメージがたまる事は少ないからです。
(フィットネス目的でキックボクシングをしていて、スパーリングをしない方などは脳にダメージがたまるという事はないですしね)
キックボクシングをしてパンチドランカーになる可能性というのは、その人の格闘技歴やファイトスタイルなどにもよるので一概に言えません。
重度のパンチドランカーになる人というのは一握りであり、多くの人はそこまで神経質になる事もないでしょう。(もちろん安全には配慮して練習すべきですし、無理は禁物です)
ただし、ボクシングのデータではありますが、プロボクサーは引退後にほぼ100%の確率で何らかのパンチドランカー的な症状が確認できるとする情報もあります。
ボクサーの慢性外傷性脳の発生率は約20%といわれ、プロボクサーで活躍した選手はほぼ100%何らかの形で後遺症を残す統計が出ています。パンチを多く浴びるボクシングスタイルのボクサーは、あまりパンチを食らわない選手よりも後遺症を多く発症します。
キックボクシングはボクシングと違って、首相撲や蹴りがありますので、攻撃は顔だけでなく脚やボディにも分散します。
またラウンド数もキックボクシングはボクシングよりも遥かに少ないです。
よってキックボクシングとボクシングを全く同列に考えるのはナンセンスではありますが、キックボクサーでも気を付けておくのに越した事はなさそうです。
スパーリングをしなければキックボクシングをしても大丈夫?
パンチドランカーの話をすると急に心配になってしまい、スパーリングをしたくなくなる人も多いと思います。
筆者もそんな気持ちは凄くわかります。
では、スパーリングをしなければキックボクシングは完全に安全でしょうか?
決して脅すわけではありませんが、答えはNOです。
キックボクシングに限らず、あらゆる競技・スポーツで怪我のリスクはあるからです。
スパーリングをせず、試合にも出なければパンチドランカーになる可能性はほとんどないでしょう。
しかし、ミットを持って蹴りやパンチを受けるだけで、多少なりともダメージあります。
サンドバッグを叩いているだけでも、多少は脳は揺れているのです。
キックボクシングに限らず、サッカーでもヘディングは脳にダメージがあると言われていますし、相撲やラグビーも体をぶつけあいますから危険です。
キックボクシングもスパーリングをしないからと言って、絶対に安全とは言い切れないのが現状です。
しかし、そのレベルで気にしていると、家にこもって何もできなくなります。
キックボクシングは体を鍛えて、強く、美しくなる事が出来る素晴らしい競技です。
トレーナーの指導の下、自分自身も緊張感をもって練習すれば、神経質になる必要もありません。
対人練習をしなければキックボクシングの危険性は一気に小さくなりますし、スパーリングをするとしても力加減をする事で安全度を高める事が出来ます。
リスクのない事など無いので安全に配慮しつつ楽しむのが吉。
キックボクシングとパンチドランカーについて述べてきました。
キックボクシングはルール上、人の顔を殴って脳を揺らしてノックアウトする競技です。
練習でも試合でも、頭を殴られ蹴られる以上、脳にダメージは受けます。
だから頭痛にもなりますし、ひどい場合はパンチドランカーになる人もゼロではありません。
しかし、パンチドランカーになる程のダメージが脳に蓄積するという人は、キックボクサーで考えると多数派ではありません。
ボクシングの場合はプロボクサーは引退後、何らかのパンチドランカー的症状が出ているというデータもありますが、キックボクシングはボクシングよりかは脳へのダメージが少ない競技とも言えます。
なので、キックボクサーだからと言って決して安心はできませんし、プロでガンガンやっていく人の場合はリスクが上がる事は理解しておくべきです。
その上で、極端にパンチドランカーを恐れる必要はなく、普段から安全に配慮してキックボクシングの練習をするのが大事です。
(誤解が無いように言うと、パンチドランカーは恐れましょう。「極端に」恐れる必要はないという事です)